日能研関西講師の過労死認定へ

神戸新聞 2001/03/14


日能研関西講師の過労死認定へ 神戸東労基署

—————————————————-
大手進学塾「日能研関西」(神戸市)の講師酒井博之さん=当時(39)=が昨年
一月、くも膜下出血で死亡し、静岡県に住む母親の三四(みよ)さん(61)が出し
た労災申請で、神戸東労働基準監督署は十三日までに、過労死として労災を認
定する方針を固めた。

「通常の講義に私立中学入試時期の仕事が重なったため」という。

今月中にも正式決定する見通しで、三四さんは神戸新聞社の取材に対し「誠実す
ぎた息子の死に少しでも報いることができる」と話している。

過労死弁護団全国連絡会議(東京)は「塾講師の労災申請に対して過労死が認め
られたのは初めてではないか」としている。

同労基署は、博之さんは昨年一月二十三日早朝に自宅で倒れるまで、少なくとも、
一カ月間休日がなく、直前七日間の労働時間も、塾所定の四十時間の二倍近い
計七十八時間三十分に上ったことなどから、過重労働があったと判断した。

博之さんは同月二十九日、くも膜下出血で死亡した。

申請などによると、博之さんは一九九六年五月から日能研関西で講師として勤務。

算数の授業を担当する講師のリーダーとして、本社や大阪の教室などで、自分の
授業以外にも、他の講師の仕事の割り振りや、教材・テストの作成、新たな生徒獲
得のための資料作り、父母への説明会などの業務に追われていた。

私立中学校の入試が本格化すると、塾生の激励や模範解答の作成も加わり、長時
間労働が続いたという。

三四さんは「まだ決まったわけではないので」と断りつつ「一周忌にも教え子らから花
束が届き、息子が信頼されていたことを実感した。まっしぐらで手を抜くことができない
子だったが、立派に勤めており、本人も無念だっただろう。認定で今後、これからの若
い人を守る助けになれば」と話している。

日能研関西は有名私立中学校への進学を目指す学習塾。兵庫県を中心に、大阪、京
都府などに教室を開設しており、約六千人の小学生が通っているという。


PAGE TOP