ビジネス街が「塾銀座」に

京都新聞  2006年12月12日(火)
四条烏丸、進出相次ぐ
京都市の代表的なビジネス街・四条烏丸で、数年前から学習塾の進出が相次ぎ、京都の「塾銀座」として注目を集めている。銀行の統廃合などで教室スペースが確保できるようになった上、交通の便が良く、通学する子どもの安全性が保ちやすいためという。

また京都市が小中一貫教育として指導に力を入れる学区にも重なるなど「文教地区」であることや、有名私立小の相次ぐ開校によるお受験ブームも背景にあるようだ。

四条烏丸を中心に半径約200メートルのエリアを歩いてみると、就学前の子どもから大学受験の浪人生までを対象にした塾や予備校の数は二十数件。雑居ビル内に複数の塾が同居しているケースもあった。 近くで飲食店を営む男性は「銀行や信用金庫の統廃合でスペースが空いたビルを利用して、5年前ぐらいから次々と塾ができた」と話す。

ワオ・コーポレーション(本社・大阪市)は今年8月、小学受験の「能開プレスクール」と、中学受験の「能開センター」を四条東洞院の京都証券ビル内に開校した。

四条烏丸校責任者の前田哲さん(37)は「京都は今年、同志社と立命館の小学校が開校し、注目を集めている地域。他の塾がひしめき合う四条烏丸に、あえて京都の拠点校を出すことで競争に参入したかった」と話す。

なぜ四条烏丸に密集するのか。前田さんは「飲食店が多い河原町は、小学生を通学させるのは心配。四条烏丸は、近鉄と連絡する地下鉄と阪急の駅があり、駅のすぐ近くに教室を開ける。ビジネス街ゆえに治安面も安心」と地の利を挙げる。他都市でも、交通の便が良い西宮北口(兵庫県)、十三(大阪市)、西大寺(奈良市)が「塾銀座」化している。

もうひとつの要因は、地域のイメージ。塾関係者によると、上本町(大阪市)の場合、東京大や京都大に合格実績がある有名高校が周辺に多数ある「文教地区」のイメージがあり、塾が集中した。四条烏丸も同様で、国の構造改革特区認定を受けて京都市教委が今年4月から小中一貫教育を始めた御所南小、高倉小、京都御池中が近くにあり、塾関係者は京都の「文教地区」とみている。

中学受験が専門の日能研関西(本社・神戸市)は昨年12月、烏丸校を東洞院仏光寺から四条烏丸に移した。同社広報によると「学力を図るオープンテストの結果を見ると、市内の他の教室と比べ、四条烏丸周辺地域は教育熱心」とする。周辺にマンション建設が相次いでいることにも注目し「教育熱心な場所に住みたいという住民が増えている」とみる。

全国的には、少子化と「大学全入時代」の到来が指摘されているが、京都の受験競争はまだまだ過熱気味のようだ。


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